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夏越の祓とは?茅の輪くぐりの由来と福岡県竈門神社での体験談!

お祓いをする神主さんのイラスト

6月をすぎると、いよいよ今年も後半戦です。
早いですね〜。
もう今年も残り半年だなんて!

そして、梅雨の時期がすぎると暑い暑い夏がやってきます。
この夏もクーラーとアイスでしのぐ夏になるのか…!?

実は昔の人だってこの1年の後半戦を襲う夏の暑さを前に、
「夏越の祓」という厄落とし祈願をしていたんですよ!

今回は、この「夏越の祓」について由来や厄落としの方法や、
実際に私が福岡県の竈門神社で祈願してきたこと
をお伝えします☆

夏越の祓とは?厄落とし方法の茅の輪くぐりって?

まず、「夏越の祓(なごしのはらえ)」ってなんでしょう?

これは旧暦の6月末に行われる、半年分の穢れ(けがれ)を落とす行事のことです。
1年の半分が過ぎた頃に、この半年間の穢れを落として残りあと半年の健康と厄除けをお祈りすることを言います。
この行事は日本神話に由来するもので、今でも日本各地の神社で行われている行事です。

この厄落としの方法がいくつかあるのでご紹介します。

 

茅の輪くぐり(ちのわくぐり)

厄落としの方法の中でも、よく行われているポピュラーな方法です。

茅の輪(ちのわ)とは、チガヤと呼ばれるイネ科の草で編んだ輪っかのことです。
人がくぐれるほどの大きな輪っかを作り、
「水無月の夏越の祓する人は、千歳(ちとせ)の命延(の)ぶというなり」と唱えながらくぐります。
この中を通ることで、病気や災いから免れることができるとされています。

 

人形(ひとがた)を流す

人形(ひとがた)は、人の形をした紙の形代(かたしろ)で、これに自分の名前や年齢を書いて身代わりとします。
この身代わりで体を撫でて罪や穢れ(けがれ)を移したものを神社に納めることで厄落としとする方法です。
この人形を川に流したり、篝火(かがりび)を焚いたりと、水や火を使う信じで清めます。
地方によっては、紙だけじゃなく藁などで人形を作るところや、お清めのために人が直接、川や海に入るところもあります。

 

「水無月」を食べる

京都で「夏越の祓」の日に食べる伝統的な和菓子で「水無月」というものがあります。
これは、ういろうの上に邪気を祓うあずきをのせた三角形のお菓子です。
クーラーや冷蔵庫などがない時代に、蒸し暑くなる7月は体力を消耗しやすく病気がはやっていたので、
甘く食べやすいお菓子でエネルギーを補強して厄払いをしていたようです。
また、この水無月が三角形なのは「氷」を表しています。昔の庶民にとって氷は高値の花。
「氷」を口にして夏を健康に過ごせるようにとお祈りする意味も込められています。

 

夏越の祓で行われる茅の輪くぐりの由来は?

さて、いろいろな厄落としを紹介しましたが、特に有名なのが「茅の輪くぐり」です。

この「茅の輪くぐり」の由来についてご紹介します。

その昔、1人の旅人が2人の兄弟に出会います。
兄弟はそれぞれ兄は蘇民将来(そみんしょうらい)、弟は巨旦将来(こたんしょうらい)という名前でした。
旅人は兄弟に「一晩宿に泊めて欲しい」とお願いをします。
弟の巨旦将来は豊かな暮らしをしていましたがその旅人を冷たくあしらってしまいます。
兄の蘇民将来は貧しい暮らしながらも、旅人を受け入れ厚いおもてなしをしました。
それから数年後…。
旅人が兄の蘇民将来の元に、恩返しに現れます。
この旅人、実はスサノオノミコトという神様だったのです!
このスサノオノミコトは蘇民将来に「もしも悪い病気が流行ることがあれば、茅で輪を作ってそれを腰につけていれば病気から免れることができるだろう」と教えを授けます。
この教えに従った蘇民将来は疫病を逃れ、子々孫々まで繁栄したというお話です。

このことから、「蘇民将来札」という御札を玄関に入ると厄除けになるという風習が生まれ、
茅の輪も元々は腰につけるほどの小さなものだったのが時代が立つにつれて大きくなり、今の形に進化していったというわけです。

自分が貧しいながらに人を思いやる気持ち、それに感心した神様の教えからきた伝統行事なんですね〜( ´∀`)

 

福岡県の竈門神社で茅の輪くぐりを体験んしてきました!

私はこの「茅の輪くぐり」を福岡県の宝満宮竈門神社(かまどじんじゃ)で体験してきました!

「夏越の祓」を意識していったわけではなく、友人が遊びに来た時に縁結びの神社ということでお参りした時に
ちょうどこの時期と重なっていて茅の輪があったのでくぐってきた感じですが、良い体験になりました!

茅の輪にはくぐり方がありますのでお伝えしますね!

 

茅の輪のくぐり方

(1)茅の輪の前に立って軽く一礼。
左足からまたいで輪をくぐり、左回りに回って元の位置に戻ります。

(2)茅の輪の前で軽く一礼。
右足からまたいで輪をくぐり、右回りに回って元の位置に戻ります。

(3)茅の輪の前で軽く一礼。(1)と同様に、
左足からまたいで輪をくぐり、左回りに回って元の位置に戻ります。

(4)茅の輪の前で軽く一礼。
左足からまたいで輪をくぐり、ご神前まで進み、二拝二拍手一拝の作法でお詣りします。

くぐり方のポイントとしては、まず茅の輪の前で一礼すること。
それから、左側から8時を描くように輪をくぐっていくということです。
くぐるときは回る方の足から、というのも忘れずに!

 

くぐってみての感想

初めての行事でくぐるときは緊張しました。
足を引っ掛けたらどうしようとか、方向を間違えたらどうしよう、とか。
でも、いざやってみたら、することは単純だし落ち着いてやってみるとちゃんとできます。
くぐったあとは、なんだかスッキリしたような気持ちになりました!
くぐり方は、茅の輪の近くに書いてあることがほとんどだと思うので、神社に行った際に確認してみてください。
このとき、私はちょうど妊娠中だったということもあり、自らの体調とお腹の赤ちゃんの健康を祈念してきましたよ♪

竈門神社ではこの時期、ちょうど七夕が近いということもあり笹の葉や短冊なんかも準備されていました!
可愛らしいカラフルな短冊とおしゃれなお守り売り場が印象的な神社でしたので、是非機会があればどうぞ☆

竈門神社の口コミはこちら

 

まとめ

今回は、「夏越の祓」に関する厄落としのひとつ「茅の輪くぐり」についてお伝えしました。
なかなかこういう伝統行事を体験する機会は減ってきていると思うので、
タイミングがあれば是非体験してみてほしいと思います。

人を思いやる気持ちが由来の穢れと厄を祓う行事なので、なんだか優しい気持ちになれますね。
神様はいつどこで見ているのかわからないのかもしれません!

半年間の穢れを祓って残り半年の厄を落とす、夏を乗り切るための行事です。
昔に比べて夏が過ごしにくくなってきた近年、注目すべき伝統行事だと思います!

 

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